日々、価格競争にさらされて、値下げを求められるビジネスに身を置いているせいか、値上げができるビジネスをうらやましく思う時があります。
商品やサービスに継続的な需要があり、競合するライバルがいなければ値上げしても買ってもらえる確率は相当高いはずです。
株式投資で個別株を物色するときには、そんな強みをもった企業を探します。実際、独占的な事業を営んでいる企業は少ないのですが、NZXで上場していてこの条件に当てはまる企業があります。
Auckland International Airport(Ticker:AIA)です。
ニュージーランドは島国ですので、海外から訪れる人はほとんどが飛行機を利用します。
ここ数年移民が増えていますが、彼らが定住するとその親類や友人などもニュージーランドを訪れる機会が増えます。
また、政府がマーケティングに力を入れてきた観光業がニュージーランドの一大産業に成長したおかげで、今や世界中から観光客が押し寄せるようになりました。
<NZへの渡航客数>
2007年 245万人
2017年 359万人
2023年 490万人(予測)
ニュージーランドへの渡航客は、6年後の2023年には2007年のちょうど「2倍」の490万人に達すると予測されています。ニュージーランドの総人口に匹敵するような数です。
国際空港は北島のオークランドと南島のクライストチャーチにあります。ウエリントン空港はオーストラリアの都市との航路がありますが国内線空港程度の扱いです。
オークランドとクライストチャーチの空港利用客数の差は3倍弱もあり、実質的にオークランド空港がニュージーランドの玄関口になっています。
オークランド空港の近隣にライバルになるような空港が新設されたり、既存の近隣国内線空港が国際線も発着できるようになったりする可能性はほぼないに等しいので、独占的に事業を行うことができます。
空港の収入は利用客が増えるほど増加します。2017年度は前年対比で、売上高は10.8%、最終利益は18.6%も伸びました。
オークランド空港は急増する利用者に対応するため、向こう5年間で$1.8ビリオンを投資し、空港インフラ整備を進める予定です。
内訳は、国内線ターミナル新設、国際線ゲートの増設、プロセスエリアや到着エリアの拡張、チェックインエリアのアップグレード、道路整備等で、これらが完成するとオークランド空港の利便性は向上し、その価値はさらに上がることになります。
さらに、2028年に新滑走路をオープンする計画も進めており、その財源確保のため2020年7月から乗客一人につき$1.19を航空会社の着陸料にチャージすることを提案しています。
実質的な値上げになりますが、オークランド空港に着陸しない訳にはいきませんので、航空会社はこの提案を受け入れざるを得ず、結果的には航空券代に上乗せされるのだと思います。
AIA株は過去1年で14%、過去5年まで遡ると「3倍」に値上がっています。
時折あるマーケット全体が落ち込むタイミングで、一緒にAIAの株価が下落するようなチャンスがあれば買いを入れ、長期保有したい銘柄の1つです。
大変励みになります。よろしければポチっとお願いします。
コメント
コメントを投稿